(金沢市犀川)
珍しい化石として、左巻貝があります。写真1はヒダリマキイグチガイで石川県金沢市の犀川の大桑(オンマ)層で採集したものです。写真2はネプチュニア・コントラリアというイギリスの左巻貝の化石であり、
どちらもほぼ同時期の新生代第四期更新世のものです。写真3は瑞浪市産のビカリア(月のおさがり)で、右に巻いており、ほとんどの巻貝の化石はこのような右巻です。現世ではサカマキガイ(逆巻貝)という名前が示すような
左巻きの淡水の巻貝が生存しているが、右巻貝が大勢を占めています。
なぜ左巻きが少ないか不思議に思いますが、右巻きが左巻きより遺伝的に優勢で、突然変異で左巻きになっても次第に淘汰され消滅していくという研究結果が出されています。その貴重なヒダリマキイグチガイの
化石が採集できる犀川の大桑層は80〜120万年前に海底であった地層が傾いて堆積しており犀川の激流で露出した多種の化石を産出します。