北陸化石採集の旅(2000年11月)
瑞浪市化石博物館友の会の遠藤さんと富山県、石川県、福井県の化石産地を巡った時の記録である。
 
期日;2000年11月3日(金)〜5日(日)
採集場所:北谷(八尾/大沢野市)、関野鼻(富来町)、門島(能都町)、前波(穴水町)、大桑(金沢市)、下山(和泉村)、貝皿(和泉村)
視察:  頭川(高岡市)、覗(金沢市)
見学:  福井県恐竜博物館(勝山市)、郷土資料館(和泉村)
立寄り: 化石壁/桑島の里(白峰村)  同行者:遠藤欽一氏

【11月3日(金)】  5時30分に豊川の自宅を出発、東名高速で豊川ICから一宮ICまで走る。岡崎当たりで雨が降るが、名古屋から晴れる。 この連休は最初は雨が残るが晴れて5日の昼から雨模様となる予想であっが、結果的には思った以上の上天気であった。  一宮ICを出てJR一宮駅まで約10分で6時50分着。駅までカーナビが活躍。以後の旅でもカーナビが大活躍した。  新しい物に奥手の遠藤さんも再認識。7時に一宮駅前を出発。 遠藤さんとの1000kmの旅がスタート!
再び一の宮ICから 高速に入り、東海北陸道で最近開通した清見ICまで走る。車の量も少なく、快調に走る。 荘川を過ぎた山々の紅葉は雨上がりで鮮やか。 清見インタを出て、高山の近くまで地道を走りR41に入る。 途中で古川の道の駅(以前に寄った所)でトイレ休憩をし、 ひたすらビカリを求めて八尾に向かう。 大沢野のコンビニで昼食を仕入れ例の採集地に向かう。
  山道に入り迷わず(前回行った時は迷った)現地に到着。時間は11時30分。道中、前日までの雨で川の水量を心配したが、 やはり水かさは多くて以前に入ったトンネルの中からのルートは無理で、トンネルの向こうの土手より川底の降りた。水面から1ー2m の壁にビカリアの地層があり、桑山さんが採られたトンネルの中の固まりにつながって川下に向かって傾斜した地層となっているようだ。 遠藤さんと壁を崩し、2人で数個(完全に近いもの)のビカリアを採集した。クリーニング後確認したら90mmくらいの物もあったが、 どこか欠けており、完全なものの採集は難しい。 この地層はまだまだ奥に続いていると思われる。 この場所の存在は我々だけの範囲に とどめ、長く残しておきたいと思うが?
採集を3時に切り上げ、化石を念入りに包装し、泥で汚れた衣服を着替え、この地を出たのは3時半。このまま石川県の私の実家に直行の 予定で出発したが、途中で気が変わり高岡市の頭川の産地を見て帰ることになった。 カーナビをセットし、高岡の中心部を通って遠回り になったが、其れらしき地層がある場所に5時に到着した。大八木さんの本にあったような地層が出ている山があったが、暗くなってきた ので帰路についた。 8号線経由で地道を100Km走り実家の美川(金沢と小松の間の町で美川ICがある)まで帰る。 美川着19時半頃。 採集したビカリアなどを乾燥のため新聞の上に並べて、本日の収穫?談義をした。豊川からの本日の走行距離は430Kmだが、連続の運転 では無いため疲れはそんなに感じない。  23時頃就寝。

【11月4日(土)】  4時に起床し4時半に実家を出発し能登半島に向かう。 関野鼻までは約110Km。金沢まで地道を走り能登高速で徳田大津ICまで走り、 国道247で関野鼻へ向かう。 早朝のため車はほとんど無く、6時20分に関野鼻の近くに到着。まだ暗いので時間をつぶし、明るくなった頃、 車を駐車場に移動し、目的の採集地に降りる。波も無く、引潮のせいか水面もかなり低い。 小高い丘を中心に10時10分まで採集。  アオザメ、メジロザメ、シロワニの小さい歯は数個から10数個は採れるが、今回も小さいものは2人で20個程度採集。遠藤さんが歯根付き の3.5cmのシロワニの大きな歯を採集。さすが大物採り?の遠藤さん、、、、掛川のカルロドン、前波のイスルス、今回のシロワニ(オドンタスビス) とこれだけで、今回の旅の目的を達したと言える。。。。
 次に、5年前に瑞浪の巡検で行った門島(能都町藤波)と前波(穴水市)に行こうということになり、関野鼻を10時20分に出発しR249で 能登半島を縦断して門島に向かい12時17分に到着。 距離は55Km。海岸にある4m立方位の岩のブロックに1cm以下の小さなメジロザメの歯 が刺さっており、波に洗われて歯の先端がでている所で、私も以前に子供と3年ばかり続けて行った時もそのつど数個の歯を採集している。 今回も2人で10数個の歯を採集できました。 周りが公園として整備されており、この小さなブロックに鮫の歯があるにはほとんど人は知らない。  1年経てば、波に洗われて又採集できる。  いつまでも残しておきたいが、。。。 
 12時17分に門島を出て前波に向かう。 距離は30Km程度細い海岸線の道を穴水に向かって走るが波が高くなってきたように思える。 前波の現地に12時45分に到着。 目的の海岸に降りたが、満潮のため、海面が上昇、数分でき切り上げるはめになった。それでも遠藤さんは 鮫らしき歯を採集した。 関野鼻が海面が低かったのは干潮のためと納得した。海岸線での採集は干満の時期、時間を調べて置く必要性を改めて感じた。
前波を13時07分に立ち、金沢の覗、大桑を目指して出発した。 昼食は抜きであり、空腹を感じたが、穴水から能登高速に入り、金沢をめざした。  途中のSAで遅めの昼食を済ませ、カーナビの問到着時間を睨みながら渋滞ぎみの能登高速、金沢市内を抜け、迷いながら覗きの現地に到着したのが 16時20分であった。 川は一昨日からの雨で増水しており、化石層は完全に水没。 今回は諦め、今度帰省した折りで水が少ない時に寄ってみたい と思う。覗は現在の地図には載っておらず、探すのに手間取ったが、大桑から犀川の上流に約5Km上った上辰巳町を右に下り犀川を横切る橋の下であり、 以前に地層を探しに来た記憶がある。この地に10分ばかりいて日暮れが近いので、大桑へ急いだ。16時40着。当然ながら水流を多く、地層がえぐれ て貝の密集層が露出した。 6年前に大きなホクリクホタテとヨコヤマホタテを採取した場所にいってみた。3月末の大量の雪解け水で壁面が崩れ、 上記のホタテが転がっていた。 その後金沢へ行き折に大桑によりホタテを探し、水面下の数枚重なった大きなホクリクホタの層を見つけ、水の引いた 5月頃取りにいったことがある。 大きなホタテを4枚ばかり採集したが水に長く浸っていたせいか完全では無い。大桑も数年前には色々な貝や魚の骨 が採集できたが、今はめぼしいものは採れない。 治水のため堤防の整備がされおり、いつまで採集ができるか。。。。
 17時半を回り、暗くなったので、今夜も泊まる実家(美川町)へ向かった、ここから20Km程度であり、途中で食事をして17時半頃実家に到着 した。 家の前の温泉に行き(このあたりは温泉がでる)疲れをいやした。

【11月5日(日)】  この旅の最終日、当初の予定は昼から雨であったが、梅雨前線が南下して天気予報は晴れ。6時半に家を出て、国道147号線で白峰経由で勝山に 向かう。実家の美川は手取川の河口の町で手取川に沿って恐竜が生息していた地(白峰、勝山)に向かう。9時の勝山の恐竜博物館の開館まで、 少し時間あり、白峰の化石壁のトンネルを見にいくことになり、8時過ぎに桑島の里の前に到着したが、道路は工事中で遮断していた。桑島の里のお じさん(事務管理人?)が窓を明けて話しかけて来た。 これが又、面白い。。。。化石壁は天然記念物になって採集禁止なのに、大阪、神戸Noの車 が来て化石壁を崩し、恐竜の歯を持って帰ったとか? その歯見せてもらったとか? 子供が一緒だったので、怒れなかったとか?この化石壁を解放して、 自由に取らせたら良いとか? 好き勝手事を言うのでこの仕事を止めさせたがっているが、森総理大臣(石川県出身)や上層部の裏ネタを知っているので 止めさせられないとか?どこまで本当か分からない話を20分ばかり聞いた。 元テレビ金沢のカメラマンで、金沢に在住し、肺が悪く、空気の良い白峰 でこの仕事をしているらしい。福井博物館に9時5分前に着き、9時から見学した。140億円の巨費を投じて建設したもので恐竜化石などの購入には 相当の費用を費やしていると思われる。 桑島の里のおじさんの話しでは、福井県は原発でかなりのお金が入るかららしい。 確かに展示内容や規模は 立派なものだが、何回も見たいとは思わない。 レイアウトなど初めての人には分かりにくいように思えた。
    11時に最終の目的地の和泉村に向かって出発した。 勝山市内から大野市街を通らない近道でR158号線に出て、下山に12時10分に到着。  温泉の横の山道を上り、車をおいて急な小道を通りいくつかの砂防ダムを超える。 ここに来たのは今年の5月、6月と3回目であるが、小さな アンモナイトとベレムナイトを2ー3個しか採っていない。 今回はオキシセリテス. オッペリーの部分を採集した2個だけであった。 この場所では ほとんど取り付くし、入っている石は少なくなっているようだ。
 車に戻ったのは14時30分で貝皿に向かう。 バス停を超えて直ぐの狭い道をとおり山道を10分ばかり走り、砂防ダムの下で車を置き、上の出来た てのダムまで上る。 崩した石や沢の転石をみたがカケラ意外は収穫なし。 かなり石を割った形跡があった。 16時に切り上げ郷土資料館に寄り地元 の化石を見学した。
 16時28分に和泉村の道の駅を出発し、白鳥市街で夕食を食べ、白鳥ICより東海北陸高速道路に入り帰路に着く。3連休で天気が良いため、のろのろ 運転の渋滞。 次の徳永で高速を下り国道156号線を走り、途中で高速に入る。一宮駅に20時着。遠藤さんを下ろし、東名高速で21時30分に豊川 に帰る。
今回の旅の走行距離は約1200Km。 天候に恵まれ、収穫もまあまあであった。 日が短じかいため、採集時間が少なかったこと、初めての採集場所の 情報入手が十分で無かったのが心の残りであるが、次回のお預けとしたい。
 遠藤さん、桃山さん、 又、行きましょう。。。。
富山八尾 ビカリアの化石  

↑八尾町土の化石採取場所の看板

↑ビカリアを産出する川の土手


↑クリーニングしたビカリア

↑ビカリアを含む土手

↑ビカリアを産出する場所の略図

↑採取した複数のビカリア
能登半島・門島、前波のサメの歯化石

↑能都町門島の石灰質砂岩ブロック

↑能都町門島のサメの歯
↑穴水町前波の石灰質砂岩路頭露頭


↑前波のアオザメの歯(遠藤氏採集)
能登半島・関野鼻、門島、八尾・深谷のサメの歯化石

  ↑掛川、瑞浪、阿南、門島


↑八尾町深谷
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↑能登半島・関野鼻

↑能登半島・関野鼻(G氏採取)

↑能登半島・関野鼻採集地





↑ワニザメの歯の化石
(関野鼻:遠藤氏採集)





↑化石採集風景(関野鼻)
金沢犀川、夕日寺の化石 (大桑層)

犀川・大桑層全景

犀川化石密集層

露出した ホクリクホタテ
   
 
      ↑ホクリクホタテ (全長160mm)    
     
 ムカシブンブクの化石 (全長65mm)    
<写真1>夕日寺町「化石の広場」




<写真2>化石の広場から掘出したホクリクホタテ




<写真3>化石の広場からの採集サンプル展示



   
<写真4>犀川旧眼鏡橋からみたの大桑層遠望
<写真5>犀川の流れで露出した化石層


<写真6>川の流れで露出したホクリクホタテ


<写真7>掘出したホクリクホタテとサンショウニ


<写真8>魚の肋骨


<写真9>石川県立自然史資料館の展示コーナー

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